腰部脊柱管狭窄症について
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腰部脊柱管狭窄症とは
背骨の変形に伴って、脊髄の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が締めつけられた状態です。
多く見られる症状としては、静かにしているときはなんともないのに歩き始めてしばらくすると脚が重くなったり、脚の痺れや痛みのために前に進みにくくなります。実際に立ち止まったり、座り込んだりすることもあります。これを間欠跛行といい、片脚のことも両脚のこともあります。したがって長い距離を続けて歩けない、連れ立って歩くと遅れてしまうのでつい出不精になってしまう、などでお困りの方が多いです。前かがみになると幾分楽になるので、自転車だといくらでも漕げるという方が多いのが特徴です。
腰部脊柱管狭窄症の診断と治療
診断
まずエックス線で腰椎の変化を調べます。椎間板が潰れていたり、骨のとげ(骨棘といいます)が多く見られます。症状が重ければMRIで神経の圧迫の程度を確認します。注意すべきは間欠跛行は腰部脊柱管狭窄症だけではなく、脚の血行障害でも起こります。特に糖尿病の方、ヘビースモーカーの方は要注意です。
治療
間欠跛行には血管拡張剤や血小板の凝集抑制剤が有効で、どちらも神経周辺の血流を改善して脚の痛みが出にくいようにする目的で使われます。理学療法としては、温熱療法、低周波、牽引などを症状に応じて行います。一般に前かがみのほうが神経の圧迫が幾分緩むので、無理して背筋を伸ばさないほうがよいことも多いのです。シルバーカーを使うとやや前かがみになるので比較的楽に歩けます。先ほどの自転車だと楽だというのも前かがみになるからです。
脚の痺れや痛みのために日常生活の支障が強くなった場合、あるいは神経の麻痺で足の筋肉が麻痺したり、排尿に支障が出た場合は手術が必要です。骨を削って神経の通り道を広げて神経の圧迫を取り除きます。手術が必要なのは重症な方だけですが、症状の軽い方を含めると同じような方は身の回りに結構おいでになると思います。